都響 C定期(大野和士のトゥーランガリラ)

 ◆ 東京都交響楽団 第848回定期演奏会

 20180110

 指揮:大野和士

  ミュライユ作曲/告別の鐘と微笑み~オリヴィエ・メシアンの追憶に(ピアノ:ヤン・ミヒールス)
  メシアン作曲/トゥーランガリラ交響曲(ピアノ:同上/オンドマルトノ:原田節)

 東京芸術劇場にて。

 本当に久々に聴いた「トゥーランガリラ…」(CDは持ってない)。一番印象に残ったのが、弦やオンドマルトノの甘美な「愛のテーマ」にピアノなどが絡む第6楽章。

 「トゥーランガリラ…」といえばオンドマルトノの原田さん。ただ、今一つ音がオケに埋もれがちな感じで、以前聴いたときは、もっと聞こえていた気がしたのだけど。

 エンディングはとてつもなく長いクレッシェンドの和音で、これこそ『余韻』を味わいたかったところだけれども、どうしても音が消えるや否や「ブラヴォーッ!」と叫びたい人がいるんですね...拍手もそれにつられてパラパラと...なんだか締まりのない最後でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ベートーヴェン 交響曲全集(デ・ブルゴスの映像)

music BD

 ■ ベートーヴェン作曲/交響曲全集

 Img537

 ▲ ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮/デンマーク国立交響楽団

 1992年から1994年にかけてのライブ録画。

 デ・ブルゴスは1933年生まれのスペインの指揮者。読響の常任指揮者だった時もあったけれども、個人的には昔のファリャなどスペイン音楽の録音以外についてはさほど興味は無かった。

 で、オマケにも惹かれて買ったこの全集だけれども、これが素晴らしいのだ。

 ピリオド系を意識したような昨今流行りの快速系ではなく、『昔ながら』のベートーヴェン。慣習的な楽譜の改変もある。

 しかし、年寄り臭さのない、肩の力が抜けた、流れの良い瑞々しい音楽。作為的なところもない自然体。

 オーケストラの透明感のある暖かみのある響きもいい。

 何より、指揮者もオケもこの演奏を心から楽しんでいるように見える。

 オマケ(?)として「幻想交響曲」「アルプス交響曲」「アランフェス協奏曲(独奏:ペペ・ロメロ)」を収録。

 その「アルプス交響曲」が収録された(2014年1月)半年後に引退、そして6月11日に亡くなってしまうのだ。

 ベートーヴェンでは椅子に座ったまま指揮をしていたのだけれど、この「アルプス交響曲」では椅子は置かずに立ったまま、スコアも置かず暗譜で指揮をしている。

 見た目の姿は弱々しくも感じるけれども、その指揮は力強く、衰えなどは全く感じさせない。

 その晩年に、このような素晴らしいパートナーに巡り合えたデ・ブルゴスも幸せだったのではなかろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

N響 C定期(広上淳一)

 ◆ NHK交響楽団 第1876回定期演奏会

 Img538

 指揮:広上淳一

  L・バーンスタイン作曲/スラヴァ!
  L・バーンスタイン作曲/セレナーデ(ヴァイオリン:五嶋龍)
  D・ショスタコーヴィチ作曲/交響曲第5番

 NHKホールにて。

 バーンスタイン2曲は広上さんの独壇場。

 特に「スラヴァ!」は、録音テープによる演説あり、エレキ・ギターあり、オケのメンバーによる掛け声ありの賑やかさ。

 「セレナーデ」のソロはお姉さんの方で聴いてみたかった...というのは贅沢か。

 ちなみに五嶋さん(@弟)の背が高いのにビックリ。指揮台に乗っている広上さんよりも高いかも。

 後半のショスタコーヴィチも相変わらずのオーバー・アクション。テンポの急激な変化もあり、なんだか戯画化されたショスタコーヴィチのよう。見ていて面白いのは確かだけれど...。

 余談ですが、N響も色々と大変そうで、デュトワ氏の指揮をナマで聴く(観る)のも昨年で最後になってしまうのか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

都響 B定期(大野和士)

 ◆ 東京都交響楽団 第846回定期演奏会

 20180110

 指揮:大野和士

  R・シュトラウス作曲/組曲「町人貴族」
  ツェムリンスキー作曲/交響詩「人魚姫」

 サントリーホールにて。

 巷で噂の「人魚姫」を初めて聴いた。

 ストーリー性はあまり感じないものの、甘美なロマンチックでドラマチック。第2楽章などでは華やかさもあって、人気が出るのも頷ける。

 前半は対照的に小編成のアンサンブル。シュトラウスの手の込んだ音楽を楽しめました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

プロコフィエフ 交響曲第7番(ロジェストヴェンスキー)

music CD

 ■ S・プロコフィエフ作曲/交響曲第7番

 Img536

 ▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ放送交響楽団

 1967年録音。

 「青春」という副題が付けられることもあるけれど、亡くなる1年前に作曲された最後の交響曲で、「回顧モード」の音楽(特に第3楽章)。

 この曲、プロコフィエフの音楽であるのは間違いないにしても、『交響曲』としてはあまりに平易に過ぎるだろうか。

 「そんな生ぬるい音楽でいいのか?!」という囁きも聞こえて来るようではあるけれども、第3楽章の甘美な誘惑に逆らうことはできない。

 第4楽章の最後でテンポを落として第1楽章の再現。その後、鍵盤打楽器とピアノによる印象的なリズム音形が繰り返され、弱音の弦のピチカートで曲を閉じる(A)。

 スコアには別のエンディングが "Variant of the closing bars" として書かれていて、こちらはテンポを速めて、この楽章の第一テーマを再現して強奏で終わる(B)。

 どちらを採るかというのは指揮者の好みだろうけれども、作曲者自身は「A」を希望していたらしい。

 この曲録音は、結局このコンビの演奏に落ち着いてしまう。曲が曲なので所謂『爆演』にはなりようが無いけれども、音楽の流れが良く、全てが自然で、あるべきところに収まっている。

 エンディングは静かに終わる「A」を採用。

 cd

 Img534

 ▲ M・ロストロポーヴィチ指揮/フランス国立放送管弦楽団

 1986年録音。個人的に『次点』はこれ。

 まずは、オケの明るくて軽目の響きがこの曲にぴったりだし、指揮者の思い入れたっぷりの音楽が上手く中和されて、重苦しくなっていないのがいい。エンディングは静かに終わるバージョン。


 Img535

 ▲ A・プレヴィン指揮/ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団

 1989年録音。強奏で終わる「B」のエンディングを採用しているのが、このプレヴィン盤。

 肩の力が抜けた、穏やかで上品な雰囲気に終始していて、この曲ならそれも有りとは思うけど、やはり、なにか引っかかるものが欲しい気もする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ラヴェル ボレロ(ヘルビヒ)

music CD

 ■ M・ラヴェル作曲/ボレロ

 Img532

 ▲ G・ヘルビヒ指揮/ベルリン交響楽団

 なんともジミでシブい旧東独コンビによるラヴェル・アルバムの中の1曲。しかし、こういうコンビがたまに名演奏を聴かせてくれることもあるのだけれど...。

 演奏時間は15分、少し速目のテンポは快適。小太鼓のリズムは大きめにおおらかに叩き始める。

 各ソロは最初は無難に進むが、E♭クラリネットがいきなりペラペラの音でいただけない。

 その後のテナーそしてソプラノ・サキソフォンもパッとしない。

 音色も今一つだし、歌い回しも「とりあえず、譜面通り吹いてみました」みたいな感じ。サックスはもっと上手いエキストラいなかったのかしら。

 しかし、ヴァイオリンが旋律を受け持つあたりから、すごくいい音がしてくる。弦のサウンドは素晴らしく、そしてトゥッティの最後の主題提示、ソプラノ・トランペット頑張ってます(ちょっと音程がアヤしいけど)。

 管楽器のソロはパッとしなかったものの、全奏になるとすごく充実したサウンド。厚みもあり内声部も充実。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

プロコフィエフ 交響曲第6番(ロストロポーヴィチ)

music CD

 ■ S・プロコフィエフ作曲/交響曲第6番

 Img469

 ▲ M・ロストロポーヴィチ指揮/フランス国立管弦楽団

 1986年録音。

 このオケのソフトで明るいサウンドを活かした演奏。第2楽章冒頭などは本当に美しく響く。

 しかし、曲そのものは有名な第5交響曲のような明快さは無く、第1楽章から何やら思わせぶりで、意味ありげ。

 フィナーレ(第3楽章)の軽快な始まりにホッと安堵し、「このまま最後まで突っ走れ!」と思うけれども、コーダでテンポを落とし第1楽章のテーマが再現、一旦ホ長調で終止した後テンポを速め、不安な雰囲気を持ったまま(しかし一応変ホ長調で)曲を閉じる。

 例えば、第2主題を金管楽器が高らかに演奏し、そのまま華やかなエンディングを迎えて「めでたしめでたし」、それでOKではなかろうかとも思ってしまうが...。

 戦争の影響とも言われているけれども、相反するものがぶつかり合っている居心地の悪さを感じないでもない。

 それに比べて、管楽器のコラールで始まる第2楽章は伸びやかな音楽が美しい。チェレスタ、ハープをバックにしたホルンのアンサンブルもいい。この楽章は好きだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ショスタコーヴィチ 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」組曲

music CD

 ■ D・ショスタコーヴィチ/「ムツェンスク郡のマクベス夫人」組曲

 Img533

 ▲ トーマス・ザンデルリンク指揮/ロシア・フィルハーモニー管弦楽団

 2005年録音。

 同名のオペラからの組曲(3曲の間奏曲)。トーマスはクルトの息子さん。

 ロシア・フィルは無茶苦茶上手とか、キャラが立ってるということは無いけれども、明るいサウンドの、よくまとまった演奏。そんな中に(僅かではあるけれども)ロシア的な響きも感じさせてくれる。

 第3曲の間奏曲には「コンサート・バージョン」もあるけれど、この録音はバンダ入りのオリジナル・バージョン。

 ちなみに、バンダの編成は以下の通り。

  コルネット(Es) 2
  コルネット(Bb) 2
  トランペット(Bb) 2
  アルト(Es) 2
  テナー(Bb) 2
  バリトン(Bb) 2
  バス 2

 次から次へと音楽が溢れ出て止まらない、まさに『才気溢れる』弾けた音楽。私はこういうショスタコーヴィチが好き。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アンタイル ジャズ交響曲(T・トーマス)

music CD

 ■ G・アンタイル作曲/ジャズ交響曲

 Img530

 ▲ M・ティルソン=トーマス指揮/ニュー・ワールド・シンフォニー

 1997年録音。

 私はこのCDで初めて名前を知ったのだけれども、アンタイルは1900年生まれのアメリカの作曲家(ドイツ系ユダヤ人)。

 聴く前は、同年代に書かれたガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」みたいな感じの曲かと思いきや、冒頭こそ気楽な感じで始まるけれども、その後のピアノのソロあたりからガンガン攻めてきて、終始、刺激的な音楽が展開する。

 途中のアドリブ風トランペットのソロもイカしている。しかしながら、最後は何の変哲もないワルツでシラっと終わってしまう。

 もちろん、指揮者のT・トーマスやプレイヤー(ソリスト)のおかげもあると思うけれど、何とも面白い音楽なのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ドビュッシー&ラヴェル作品集(チェリビダッケの映像)

music DVD

 ■ ドビュッシー&ラヴェル作品集

 Img512

 ▲ C・チェリビダッケ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

 1994年(亡くなる2年前)のライブ録画。

 収録曲は以下の通り。

  道化師の朝の歌
  牧神の午後への前奏曲
  スペイン狂詩曲
  イベリア(「管弦楽のための映像」から)
  ボレロ

 まずは「道化師…」、出だしのテンポを指示した後、音楽の流れは基本的にオーケストラに委ねて、音楽の細かいニュアンスを指示することに専念する。

 そこから生まれる精緻な表現は見事で、なにやら「魔法使いのおじいさん」的な雰囲気を漂わせている。

 指揮台までは付添いの手を借り、演奏中もずっと椅子に腰掛けたまま。曲が終わってからの客席からの拍手にも振り返ることなくオーケストラやソロ奏者に合図して起立させるだけ。

 ただ、自分の思い通りに身体が動いてくれないというもどかしさがあるのだろうか、随所で気合を入れるような声を発したり、旋律を大声で歌ったりしている。

 テンポは非常に(異常に?)遅く、正直「イベリア」では(私の)緊張感が途切れてしまった。

 この指揮者についての世間の盛り上がりもかなり沈静化した感があるけど、なんとなくバーンスタインの晩年の音楽を思わせるアクの強さを感じさせる音楽。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«サン=サーンス 交響曲全集(マルティノン)