バルトーク 管弦楽のための協奏曲(ケーゲル)

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 ■ バルトーク作曲/管弦楽のための協奏曲

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 ▲ ケーゲル指揮/ライプチヒ放送交響楽団

 1971年のライブ録音。

 いわゆる「オケコン」、バルトーク晩年の作品。「外面的な軽い」音楽という風に言われることも多いような気もするけれど、このケーゲルの演奏ちょっと違うのだ。

 第1楽章の序奏からしてただならぬ雰囲気が漂う。低弦の動きを受けてのフルート、そしてトランペット・セクション。これまでは割と「軽い」音楽だと思っていたものが、ずっしりと重く響く。

 第4楽章、変拍子の木管に続くビオラが奏する旋律。ここも(この曲の後半部にも再現するが)従来は「きれいなメロディだな」くらいにしか感じなかったが、ここではそのイメージは一変して、とてつもなく深い感情を伴って迫ってくる。

 そして、いきなり狂ったように突き進む終楽章。弦楽器の16分音符の動きもオケ全体がうねるようで、コーダ前の上下する動きも不気味。そして、金管の主題再現から終結部まではますますテンポを速めて一気に曲を閉じる。

 譜面の表面だけをいじった、単なる小細工とは違う。とにかく聴き所満載ではあるけれども、万人向けでないことも確か。

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ストラヴィンスキー バレエ音楽「火の鳥」(アンセルメ&NPO)

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 ■ I・ストラヴィンスキー作曲/バレエ音楽「火の鳥」

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 ▲ E・アンセルメ指揮/ニュー・フィルハーモニ管弦楽団

 1968年録音。アンセルメ、最後の録音。

 今では「バレエ全曲版」も普通に演奏されたり録音されたりしているけれど、その昔は「組曲版(1919年版)」が主流だったと思う。

 そんな中、私が最初に聴いた「火の鳥」がこれで、それもあってか、その後に色々な録音を聴いたけれども、やっぱりこれが一番シックリくる。

 チャイコフスキーやR・コルサコフの延長としての「ロシア音楽/バレエ音楽」としての音楽。

 で、そちら側から見てみると、相当に斬新で前衛的な音楽として聴こえてくるし、オケとしても東寺は演奏機会は少なかったであろう、珍しかった『全曲版』を先入観なしに、手垢にまみれていない音楽を聴かせてくれる。

 今であればはるかに上手で、鮮やかに演奏している録音もあるにしても、自分にとってはかけがいのない演奏であることは間違いない。

 「リハーサル風景」のボーナスCD付き(日本では『特典盤』として出ていた)なのも嬉しい。

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メンデルスゾーン 弦楽八重奏曲(アカデミー室内アンサンブル)

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 ■ メンデルスゾーン作曲/弦楽八重奏曲

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 ▲ アカデミー室内アンサンブル

 編成はヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ2。

 第3楽章「スケルツォ」は後の「真夏の夜の夢」を思わせるし、第2楽章の下降する音型が絡み合う音楽は美しい限り。

 終楽章の疾走する音楽はひたすら前へ前へ、そして上へ上へと突き進む。この若々しい音楽は、いつ聴いても高揚感を覚える。

 そして、これが作曲者16歳の時の作品だというのに驚く。

 『習作』感は全く無くて完全に出来上がっているし、『天才』どころではない、まさしく『神童』といっても言い過ぎではない輝きを感じる。

 弦楽合奏で演奏(録音)されることもあるけれど、このアカデミー盤は各パート一人による演奏。

 マリナーはヴァイオリン奏者として参加しています。メンバーについては以下参照(画像クリックで拡大します)。

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都響 プロムナード(準・メルクル)

 ◆ 東京都交響楽団 プロムナードコンサート

 20180210

 指揮:準・メルクル

  メンデルスゾーン作曲/序曲「フィンガルの洞窟」
  ドヴォルザーク作曲/チェロ協奏曲(独奏:エドガー・モロー)
  シューマン作曲/交響曲第3番「ライン」

 サントリーホールにて。

 くっきりとした輪郭のキビキビとした音楽運び。前半はちょっと落ち着かなかったけれども、「ライン」は手の内に入っている感があり楽しめた。

 都響との初顔合わせ。意外に相性はいいかも。

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マーラー 交響曲第10番(バルシャイ版)

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 ■ G・マーラー作曲/交響曲第10番

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 ▲ R・バルシャイ指揮/ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団

 2001年ライブ録音。指揮者のバルシャイによる補筆完成版。

 このバルシャイ版は中間3楽章では打楽器や金管楽器がかなり活躍する。また、終楽章は弦楽器を中心にクック版に比べるとかなり『素直な』オーケストレーションになっているように感じ、ここは、バルシャイ版の方がすんなりと曲を受け入れられる。もちろん、クック版あってのバルシャイ版であるのも確かだとは思うけれど。

 演奏は前向きと言うか、かなり外向的な感じ。

 ストレート勝負。不協和音なんかはそのまま思いっきりぶつけて鳴らす。

 それがマイナスに出たのが第3楽章か。この音楽の微妙なニュアンスが感じられず、結果中間3楽章がやや一本調子になってしまった。

 それでも終楽章、トランペットの引き伸ばされた「A」の音から、第1楽章の主題が再現されてから後の物凄い高揚感は、率直に感動的。

 それにしても第1楽章はマーラーの書いた音楽の中で最も美しい楽章の一つではなかろうか。これはあの世、岸の向こう側の音楽。

 この未完の作品を補筆して完成してしまうことや、このバルシャイ版についてもいろいろと見解はあるだろうし、もちろん、マーラー自身が完成していれば、これとは大きく違ったものになっていたに違いないけれど、この未完の交響曲の全体像が見え、それを実際の『音』で聴けるという意義はとてつもなく大きい。

 全5楽章で、第5楽章の後半部に第1楽章クライマックスでの印象的な不協和音が再現する。それによって、この交響曲が大きなループを描いていることが分かるのだ。

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【雑記】 CDの中のスポンジ

 最近はどうか分からないけれど、その昔発売されていたセット物のCDのケースの中に、正方形のスポンジのシートが入っている場合がある。

 そしてこのスポンジ、時間が経つとボロボロに崩れて(溶けて?)しまい、そして最悪CDに貼り付いてしまうケースがあるのだ。

 以前、その事実に気付き、所有しているCDからスポンジを取り除く作業を行ったのだけれども、新たな被害が発見された。

 モノは小澤征爾指揮による「ロメオとジュリエット」(ベルリオーズ作曲)の2枚組セット(古い輸入盤)。
 
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 ケースを開けてみると...。

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 特に、古い輸入盤のセット物は危険度高し。お心当たりの方は要チェックです。

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ヒンデミット 管弦楽作品集(アルベルト)

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 ■ ヒンデミット作曲/管弦楽作品集

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 ▲ ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト指揮

 1987~1992年録音。指揮のアルベルトは1935年生まれのドイツの指揮者。

 3つのオーストラリアのオケを振っての管弦楽作品集(6枚組)。収録曲とオーケストラは以下の通り。

 (CD1) A
  エロスとプシュケ
  「気高い幻想」組曲
  フィルハーモニー協奏曲
  ウェーバーの主題による交響的変容
 (CD2) A
  おどけたシンフォニエッタ
  ラグタイム
  交響的舞曲
 (CD3) B
  ヌシュ・ヌシ舞曲
  弦楽と金管のための演奏会用音楽
  交響曲「世界の調和」
 (CD4) B
  「今日のニュース」序曲
  吹奏楽のための交響曲変ロ長調
  交響曲変ホ長調
 (CD5) C
  「戸口に咲き残りのライラックが咲いた頃」前奏曲
  交響曲「画家マチス」
  シンフォニア・セレナ
 (CD6) B
  管弦楽のための協奏曲
  シンフォニエッタホ長調
  ピッツバーグ交響曲
  古いスイスの歌による行進曲

   A:クイーンズランド交響楽団
   B:メルボルン交響楽団
   C:シドニー交響楽団

 ヒンデミットの主要オーケストラ作品が網羅されていて、他に録音が少ない曲も多く含まれているのが嬉しい。

 サウンドは明るめだけれども、意外に(失礼)手堅い演奏を聴かせてくれる。

 もちろん有名曲(「画家マチス」や「…交響的変容」など)については、他にもいろいろと素晴らしい録音もあるけれども、まず曲を知るということであれば何の問題もない。

 ヒンデミット作品は、最初は確かにとっつきにくいかもしれないけれど、情緒に流れることのないハードでクールな音楽は聴けば聴くほどカッコよく魅力的であるし、飽きることがない。

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ベートーヴェン 交響曲第2番(ケーゲルのライブ録音)

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 ■ ベートーヴェン作曲/交響曲第2番

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 ▲ H・ケーゲル指揮/ライプチヒ放送交響楽団

 1973年のライブ録音。

 ケーゲルはドレスデン・フィルとベートーヴェンの交響曲全集をセッション録音しているけれども、「大人しい」印象のあるドレスデン盤とはずいぶんと趣の異なる演奏。

 冒頭の力強い響きから引き込まれるけれど、表面をきれいにまとめた演奏でもなく、かと言って『巨匠風』の重々しい演奏でもない。全曲に渡って、活々と「青年」ベートーヴェンの熱い想いをストレートに表現する。

 第2楽章「ラルゲット」も、むしろ速めのテンポで旋律を切々と歌い切る。これも、決して悟りきった老人の音楽ではなく、「ああ、こういう音楽だったんだ」と再認識させられる。

 終楽章コーダの迫力、そして金管楽器を目一杯鳴らした第1楽章の終結部。

 ライブゆえミスもあるにしても、熱い「ベト2」を聴きたい人にはオススメ。

 カップリングは「交響曲第5番」(1986年ライブ録音)。

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都響 C定期(大野和士のトゥーランガリラ)

 ◆ 東京都交響楽団 第848回定期演奏会

 20180110

 指揮:大野和士

  ミュライユ作曲/告別の鐘と微笑み~オリヴィエ・メシアンの追憶に(ピアノ:ヤン・ミヒールス)
  メシアン作曲/トゥーランガリラ交響曲(ピアノ:同上/オンドマルトノ:原田節)

 東京芸術劇場にて。

 本当に久々に聴いた「トゥーランガリラ…」(CDは持ってない)。一番印象に残ったのが、弦やオンドマルトノの甘美な「愛のテーマ」にピアノなどが絡む第6楽章。

 「トゥーランガリラ…」といえばオンドマルトノの原田さん。ただ、今一つ音がオケに埋もれがちな感じで、以前聴いたときは、もっと聞こえていた気がしたのだけど。

 エンディングはとてつもなく長いクレッシェンドの和音で、これこそ『余韻』を味わいたかったところだけれども、どうしても音が消えるや否や「ブラヴォーッ!」と叫びたい人がいるんですね...拍手もそれにつられてパラパラと...なんだか締まりのない最後でした。

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ベートーヴェン 交響曲全集(デ・ブルゴスの映像)

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 ■ ベートーヴェン作曲/交響曲全集

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 ▲ ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮/デンマーク国立交響楽団

 1992年から1994年にかけてのライブ録画。

 デ・ブルゴスは1933年生まれのスペインの指揮者。読響の常任指揮者だった時もあったけれども、個人的には昔のファリャなどスペイン音楽の録音以外についてはさほど興味は無かった。

 で、オマケにも惹かれて買ったこの全集だけれども、これが素晴らしいのだ。

 ピリオド系を意識したような昨今流行りの快速系ではなく、『昔ながら』のベートーヴェン。慣習的な楽譜の改変もある。

 しかし、年寄り臭さのない、肩の力が抜けた、流れの良い瑞々しい音楽。作為的なところもない自然体。

 オーケストラの透明感のある暖かみのある響きもいい。

 何より、指揮者もオケもこの演奏を心から楽しんでいるように見える。

 オマケ(?)として「幻想交響曲」「アルプス交響曲」「アランフェス協奏曲(独奏:ペペ・ロメロ)」を収録。

 その「アルプス交響曲」が収録された(2014年1月)半年後に引退、そして6月11日に亡くなってしまうのだ。

 ベートーヴェンでは椅子に座ったまま指揮をしていたのだけれど、この「アルプス交響曲」では椅子は置かずに立ったまま、スコアも置かず暗譜で指揮をしている。

 見た目の姿は弱々しくも感じるけれども、その指揮は力強く、衰えなどは全く感じさせない。

 その晩年に、このような素晴らしいパートナーに巡り合えたデ・ブルゴスも幸せだったのではなかろうか。

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